これまでは常識だった、攪拌や切り返しによる堆肥の発酵方法。
牛に良質な乳酸菌を摂取させることで、それらの作業が全く不要になるというのは、にわかには信じられないことでしょう。
本記事では、堆肥の作り方を解説します。
弊社がお取り扱いしている乳酸菌の詳細については、家畜用NS乳酸菌添加資料 ご紹介ページも併せてご確認ください。
また、一般的に作られた堆肥と、NS乳酸菌を摂取した牛糞により生産された堆肥がどのように異なるかについては、一般的な堆肥との違い の記事にて解説しています。
堆肥の発酵について
堆肥の発酵のためには、当然のことながら微生物を活性化させる必要があります。
そのために「最も」大切なこと。それは
温度!(堆肥の場合は気温!)
水分!
これは絶対頭に入れて欲しいことです。
つまり、
- 気温が低い地域=発酵期間を長めにする
- 床出しをした後の水分が少ない(夏場など)=しっかり湿り気が出るまで加水をする
この温度(気温)と水分の関係が、発酵品質を決める重要な要素になります。
戻し堆肥の作り方
【一時堆積発酵】
①生堆肥を回収し、水分率を確認
水分率の目安
■70%以上(握ってしっかり水分が出る)又は、ぬめっている →オガコと混ぜる
目安 堆肥1:オガコ2(冬場) / 堆肥1:オガコ1(夏場)
■60%〜70%未満・ぬめっていない→何も混ぜない
■50%以下→加水をする(しっかり湿り気が出るまで)
② できるだけ高く積み上げ、一次堆積発酵
③ 夏場1ヶ月間以上、冬場1.5ヶ月間以上寝かせる
水分が少ないと乳酸菌が活性せず、十分な発酵ができません。
これまでの考え方を真逆にしていただく必要がありますが、どうかフンコロガシを信じてください。
※ もみ殻を混合されていると温度が上がりやすいので、57℃以上にならないよう管理をお願いします。
【二次堆積発酵】
④ 二次発酵のために移動させ、できる限り低く堆積させる(一次堆積の半分の高さがベスト)
⑤ 夏場2週間以上、冬場1ヶ月間以上寝かせる
⑥完成→ベッドに戻す
発酵温度
ご心配であれば温度の状態・変化をご観察頂くと、発酵の進み具合が確認できます。
「水分・堆積量がしっかりある」ことが前提ですが、一度55℃前後まで上昇し、その後40℃台に落ち着いてきます。
堆積量が少なければ温度は上がりにくいですが、40℃以上になっていましたら発酵が進んでいますので問題ありません。
また温度は表面ではなく、深さ1m以上の出来るだけ深い場所を計測して頂くようお願い致します。
水分について
ご参考までに一次堆積スタート時の水分値の写真です。
このように、ぐちゃっとした状態のまま、一次堆積に進みます。
ジューサーで絞った状態です。
しっかりと水分があることが分かると思います。(圧縮にはほとんど力を入れていません)
こちらの牧場では、このあと堆肥1:オガコ1程度の割合で混ぜ込み、1〜1.5ヶ月間堆積の後、2週間ほど二次堆積をさせて戻し堆肥を完成させています。
ベッド戻し用の堆肥が完成した頃には、ジューサーから水分が出なくなる程度(50〜60%程)まで水分が落ちますが、それでもしっかり湿り気はある程度でベッド戻しをしています。
(※乾燥してしまうと有用菌の機能が落ち、結果的に感染症防止のための品質維持や、温度も保てなくなってしまいますので注意してください)
「ここまで水分が高くても問題ない」ということのご参考にしていただければと思います。どうか、フンコロガシを信じてください。
※耕種用の堆肥の作り方については別ページにてご説明します。