社会的農業とは?

2021年3月15日 | 社会的農業の教科書

分かるような分からないような、フンコロガシ藤原が考えた言葉。

「で、結局どういうこと?」という部分について、簡単にまとめてみました。

「もし、家畜の糞から、まったく悪臭がなく環境にもやさしい有機堆肥を、手間をかけずに作れたらどうでしょうか?

さらにこの有機堆肥が、有機農業の成果を驚くほど改善させられる、 画期的な肥料になるとしたら?

それだけでなく、家畜の腸内環境が整い畜舎環境が改善されることで、 病気に強くなり、生産性が向上し、畜産経営が安定するとしたら…?」

この嘘のような良いことづくめの連鎖は、 家畜が摂取する特殊なプロバイオティクス乳酸菌を起点として、 簡単に実現できるものなのです。

1. 畜産経営における、4つの大きなメリット

添加飼料として NS 乳酸菌(NS-α)を牛に給与すると、

①   免疫力+畜舎環境向上により、感染症の予防が可能

②   枝肉重量や肉質が向上(飼料の消化性が上がるため)

③   畜舎の悪臭が激減

④   堆肥生産においては撹拌や切り返しが不要で、〝堆積発酵のみ〟で堆肥化します(当然、悪臭ゼロ堆肥になります)

完成した堆肥は、有用菌と養分が豊富に含まれ、有機農業に役立つ〝オールインワンの肥料〟になり、それを農地に還元することで、環境問題解決と有機農業の促進に貢献します。

2. 堆肥作りは “積んでおくだけ”。撹拌や切り返しは不要です

堆肥 発酵
57℃以下で完全発酵します

NS 乳酸菌を摂取した家畜の堆肥は、攪拌や切り返しなどをせず、できる限り空気に触れさせないように堆積することで、嫌気性発酵が進み、堆肥が完全発酵します。

また、堆積中は57℃以下で発酵するため、有用な微生物が死滅せずに活躍できる環境になり、リサイクルし続けることが可能となります。

それだけではありません。従来の方法である空気を入れ込み温度を上げ、好気性発酵で生産する堆肥の製法は、酸化分解をし腐敗に傾くため、農地の作物に障害が出るなどの問題がありました。

一方、NS 乳酸菌から作られた堆肥は有用菌などが豊富に含まれ、有機農業が簡単に可能となるオールインワンの有機堆肥になり、土壌や環境浄化をも促す肥料となるのです。

3. 「リサイクルし続けられる」戻し堆肥の実現

これまではリサイクル目的で戻し堆肥を導入した場合、臭いと有害菌の問題でリサイクルし続けることは不可能でしたが、NS 乳酸菌を摂取した家畜の糞便には、乳酸菌をはじめとする有用微生物群が豊富に含まれるようになり、その糞便で生産した戻し堆肥をベッドに導入することで、有害菌優勢の環境から有用菌優勢の環境に変化し、感染症を発症させない環境が実現するのです。

目の前に迫る耐性菌の脅威…抗生剤に頼らずとも安心して運営できること。それが次の時代の畜産経営における必須条件だと考えます。

4. たった3ヶ月で「牛舎の悪臭」が低減

悪臭の元は、〝未消化の栄養素〟が糞尿から排出された際に発せられる、硫化水素とアンモニアなどの匂いです。

これらは良質な肉になるアミノ酸の原料ですが、特にタンパクの消化吸収がうまくいかずに排泄物として出ると、強烈な臭いに繋がり、神経毒のためストレスの原因になります。

NS 乳酸菌は、悪臭物質になる前にしっかり分解し、体内でアミノ酸につくり替えることができるため、悪臭の元がない状態で糞尿から排出されます。そのため、畜舎そのものの悪臭が無くなってくるのです。

5. 堆肥は「オールインワン」の有機肥料へ

美味しい野菜 有機栽培 有機肥料 堆肥 リバイブソイル

乳酸菌が高密度で含まれる生糞を、40℃から57℃で乳酸発酵させることにより微生物・酵素・ミネラル・腐植が密度が高く含まれ、土作りと作物の成長に必要な成分をすべて含んだ「肥料」になります。その結果、本来の生命力を最大限に引き出せるため、追加の肥料を必要とせず、収量が上がり、病気にも強く、旨味が出る有機野菜を生産することができるのです。

畜産環境問題を「根本から解決」するNS 乳酸菌

NS 乳酸菌を摂取した家畜の糞尿からはメタンガスが発生せず、堆肥生産のプロセスにおいても窒素酸化物の発生が抑制されます。つまり、乳酸菌を起点として畜産環境問題の改善にも繋がるという、驚くべき波及効果をもたらすのです。

畜産堆肥を良質な有機堆肥に簡単に生まれ変わらせることで、畜産農家と耕種農家の間には大きな循環の輪が生まれます。私たちは、このように地域で循環しながらメリットをもたらす農業のあり方を “社会的農業” と名付け、さまざまな地域に根付かせていくことで、農業からはじめる地球環境の改善に取り組んでいます。

藤原 孝史

藤原 孝史

この記事を書いた人

岐阜県高山市に生まれ育つ。蔬菜農家・肉牛農家を経て微生物の応用と発酵還元製法による『社会的農業(Bio circulationシステム)』理論を確立し、提唱者となる。自称、フンコロガシおじさん。

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